キョウリュウジャーキャラクターブック2の対談記事(裏方部門)で気になったこと幾つか。


※ほぼ裏方部門に話題が集中するのでキャスト目当ての方はご注意。


次郎さんとは敵同士(の役)でいたかった、と本音を漏らす押川SA。
何故なら「敵として直接対峙する方がたくさん勉強できるから」。
勉強になる、の受け止め方一つに人となりが窺えるよう。
尊敬して止まない憧れの先輩は今後も一貫して(いかに自身が完成された匠の粋に達しようとも)
永遠の目標であり続ける特別な存在なんだろう。

押川SAによる清家ドゴルドVS岡元(次郎)トリンの剣殺陣への絶賛には、さもありなんと頷きながら
ただ現場で直接一部始終を見るのと、そのうちの大部分がカットされた編集後の映像を見るのとでは、
感動や興奮の質はずいぶん違うんだろうなとは思う。

以前から何度も指摘してきたことだが(坂本監督との対談にて奇しくも福沢アク監も同様の苦言を呈していたが)
元のアクションの流れを編集段階でメッタメタにぶった斬られると
もうSAがどんなに凄い技をやっていようがわからないし伝わらない、もとい、非常に伝わりにくくなる、
編集による加工は映像作品なら当然の工程だが、せめて元素材を最大限活かす工夫と努力には期待したいのだ。

続く竹内SAの発言にもそういうニュアンスは多分に含まれる。

変身前を演じた斉藤くんに、ブラックとしての会心の動き、一押しシーンはあったか訊かれて、
「ない!」と竹内SAが即答するのは「ステップや細かいアクションをやっても無情にカットされる」経験が
一度や二度でなく常態化しているのを不本意に感じているからで、
だからその後に、見ていた方たちにどこが良かったかを聞きたい、それで僕たちはやれてたと実感できる、
僕はもっとやれると思って臨んでいるから、等々の言葉が飛び出す。
要するに、やれるのにやらせてくれないか、やってもやってないことになるので、やりたいない、もっとやりたい、である。

そんな話を聞くと、現場でやってることと映像に仕上がった時のアクションの(質も量も)
落差はどれほどなのか、気になるわけで、
いっそディスク発売時にSAアクションの未公開映像をおまけにつけたらどうかと提案したくなる、
希少価値もつくし、レンタやめて購入する層も増えそうで、意外といいアイディアではなかろうか。

なんにせよ、竹内SAの絶品アクションがカットされて日の目を見ないのは、あまりにも勿体なさ過ぎる、
ガンガン撮って、ガンガン世間に公開すべき、
これはもう映像作品の作り手の義務や責任の領域として。

個人のアクションは、それを支える体力と運動能力のお陰だが、未来永劫に今の体力が保てるわけもなく、
つまりは過酷な時間との戦いからは誰しも逃れられない、それはSAであっても例外ではない、

数年前にも岡元SAについて同様の焦りを口にした記憶があるが、本気でトップSAのアクションを極力漏れなく「映像に残す」
(本編で使う使わないは別にして)こと再優先でやってほしい現場には。
いつかこの世から消えてしまうものだから、形にして留めておく意義もある。

推測の域を出ないが、大藤ゴールドと浅井グリーンがGロ恐竜5期に出演を希望したのも、どこかにもう少しだけ、というような
演り足りない不完全燃焼感が残っていたからかもしれず。

キョウリュウゴールドは俺がこの手で葬ってやる、くらいの気持ちで/大藤
僕から(Gロッソのグリーンを)「やらせてほしい」と希望した/浅井

余談だけれど、大藤SAのゴールドへの思い入れを「お互いに」の一言から敏感に汲み取って、
変身前の空蝉丸と変身後のゴールドの両方でドゴルドと戦いたかった!、と先んじて気遣いを示す丸山くんナイス。
意外とザ・気遣いの人らしく
終始褒め殺しかと勘違いさせるほど、力いっぱいフォローしまくって大藤SAを面食らわせてるのに、ちょっと笑った。


後進を育てることに関しての、福沢アク監と坂本監督のやり取りも興味深く。
(一部抜粋)

やっぱり、カメラありきの中でアクションすることを経験しないとね。重要なのは、どう映るか。
カメラがこういう位置に入っているのなら、こういうリアクションが映えるとか。カメラからの視線を
意識しないといけない。/福沢

ヒーローショーでやっているパフォーマンスとはまた違う。カメラに対してのパフォーマンスなんだよね。
そういうところも含めて、おじさんの僕たちが(笑)、若いアクションマンに教えてあげないと、という気持ちは強いね。/坂本


鎧武やトッキュウジャーのOPクレジットに、現在Gロで活躍中の蔦宗SAや寺本SA等の名前を見かけるのも、
TVの現場経験を積ませる目的なのは間違いなく、
これから彼らがどう成長していくのか将来がとても楽しみだし、
スーツアクションの層が厚なれば、多彩な才能が出てきてスーツアクトの可能性も広がるだろうから
是非色んなタイプの若手が育っていけばいいなと思ってる。

またまた余談だが、
アミィ役の鮎莉ちゃんの時々見せる、ちょっと不安そうに戸惑ったようなナイーブな表情の愛らしさに
ひそかにぐっときていた一人として、
鮎莉ちゃんと丸山くんの禁断の(うそうそ)兄妹ほんわか対談の和み効果にはテキメンやられたクチ。

あの二人の写真がまたツボで。
確かにアミィの役自体は女キングかもしれないが、
素の鮎莉ちゃんはもっとほわわんとした柔らか且つ穏やかな風情があって、
どちらかというと丸山空蝉丸と相性が良さそうに見える。
白状すれば個人的には金桃がしっくりくるかも。