第2回「Frozen Memory」/はつ恋(ドラマ10)

NHK公式サイト

二話目を視聴して、
本作は医療ドラマの体裁の上に、一人の女(木村佳乃)が新旧二人の男(青木崇高伊原剛志)の間で揺れ動く
愛の三角関係を描こうとしているのかなと思ったりしたが、
まだ正直今後の方向性がよくわからないでいる(難病の部類に入るヒロインの癌手術が、かつての初恋の相手で
いまやスーパードクターの「神の手」により今回あっさり成功したが、まさかの再発展開がこないとも限らないし)。

手術シーンと交互に挿入される「あの頃」の恋の思い出シーンのひとつ、
カセットウォークマンから伸びる一組のイヤフォンの左右を分けあって聴く高校生カップルの図は、
まさに本作が40前後世代を直撃するドラマであることの証左だろう。

甘酸っぱい青春の思い出シーンがそこはかとなく醸すニュアンスに
特に映像面でそれらしさを前面に出したわけでもないのに、
どこかしら80年代の空気感が漂っているのは、
そう狙って書いているはずの中園ミホ脚本に負うところ大だと思う。

ヒロイン緑の初恋の相手である若かりし三島匠の物言いが、
当時の女子ウケしそうな、ぶっきらぼうだが根は優しい不良っぽいタイプの典型なのも、
背中をむず痒くする一因だが、別に貶したいわけではなく
どう見ても完全に40代女子をメインターゲットに絞った作りに
乗り切れない(ハマり切れない)傍観者の微妙にズレる違和感のせいだ。

ゆえに微妙な気恥ずかしさやぼんやり遠巻きに眺めるような感覚は、
ごく個人的な趣味嗜好ないし立ち位置の問題だと承知しているし、
明確な戦略の立て方に対しては好意的に見てもいる。

朝ドラのような全方位向けを至上命題とする放映枠と比べたら、
ある程度対象を限定できるのは、遥かに作り手側の自由度も高くて、
もっとのびのびと作れそうだなとも思い、

嫁をいびりまくることに快感を覚える姑にも勝る情熱で
少しのミスも許すまじと鼻の穴膨らませ「ここがおかしい」と底意地悪く指摘しまくる
まるでハイジのロッテンマイヤーカーネーションのプチ澤田まがいの正しまくり厨が
湧いて出てこなさそうなのも、無駄にキリキリした雑音に煩わされず
のんびり楽しみたい視聴者には嬉しいことだよなとも思う。

二話目では新たに佐藤江梨子が三島の別れた妻役で登場。
その名声ゆえに東都医科大では浮き気味な三島を唯一擁護する立場にして、自らの後を任せられる
後継者だと期待する蛯名教授(平田満)の娘役で。
久々に姿を見たら、思いがけず一本調子の台詞回しに逆の意味で意表を突かれる。
以前もこんな演技してたっけか。
なにせ最後に見たのが映画の腑抜けども〜で、はっきり覚えてないのだ。

あとここにも医者役で、今週の梅ちゃん先生耳鼻咽喉科の山田教授役で出てきた奥田達士
出演している。どこかで見たような、と思いはしたが、そうか鳴滝な。

意外と失語症患者役の大竹まことが、ストイックな演技でいい感じ。
井原より青木よりシブい大竹一押し、と言ってみるオッサン贔屓。







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