純と愛(10/27)の呟きと追記


◇余談になるが、本日(10/29)放送分は楽しい突っ込みどころに事欠かずで、
愛(いとし)が朝食に出したお手製らしきシチューの材料は、どこで調達したんだ
(鶏肉や野菜が純の冷蔵庫に常備されてるとは考えにくいし)、
もしや朝っぱらから愛が買い出しに出かけたのか、事前に目星つけといた24時間スーパーにでも、とか、

オムライスが純のだけデカイ、愛ちゃんの二倍はある、大食らいの設定を随所に生かし
どうやらこまめに笑いを取るつもりらしい(ふ)、とか

大阪の中心部で夜景が一望できる賃貸マンションの最上階が七万程度だと言い切る、遊川脚本の開き直ったふてぶてしさにも
呆れを通り越して吹き出したり。

愛ちゃんの何でも完璧にこなしてしまうかなりデフォルメの効いた超人設定を、四角四面にご都合主義と
そしるのも野暮天になろう、

やりたいようにどうぞ思い切り弾けてくれ、にこにこ見守ってるからお好きなように暴れてください、
悔いなく全力出し切ってください、作り手に望むのはそれだけ。




※例によって原文につけた共通タグは省略。


1)あてどなく明け方の街を彷徨う愛。バックに流れる劇中曲のオルゴール版は、徐々にネジが戻ってテンポが緩慢となり、
疲れを引きずるかのようにたどたどしく音を刻むうち、ついに力尽き、途切れるのに被って、
けたたましく走り去るバイクの、侘しい無機質なエンジン音の残響。
2012年10月27日 - 17:36

2)青息吐息で橋にたどり着き欄干に腰掛けた愛は、眩しすぎる旭日の光を背に思いつめた表情で目を閉じる。
数秒の無音状態を経て、BGMは(南国を想起させる)浜辺に打ち寄せるゆったりしたリズムの波音に変わる。
すると背後から唐突に純の声が。「まさか死のうなんて思ってないよね」
2012年10月27日 - 17:40

3)この音使いの演出の見事に拍手喝采。遊川脚本を陰で支える優秀なスタッフの健闘が光った本日。
また墓前での互いの純愛告白(だなあ)シーンで、純がごく小さく満足気な声(言葉未満のかすかなため息に近い声)
を漏らして微笑み、優しく包み込むように愛を抱きしめるのもツボ。
2012年10月27日 - 17:45

演じる夏菜の癖なのか、じれったさを内に秘めた「声ならぬ声」に独特の個性があり、実に可愛らしい。
2012年10月27日 - 17:46


◇追記:
第4週『ねむりひめ』最終日の土曜は、演技にも演出にも
健気で一途な「純愛」の初々しさが遺憾なく発揮され、いつも以上に
惹き込まれた回だった。
特に感銘を受けたシーンをメモ代わりに呟いておいたが、純役の夏菜による
「声ならぬ声」に関しては、演技からはみ出した彼女本来の持ち味の反映として
初回から印象に残っていた。

父親から勘当を言い渡され、いたたまれず宮古島の実家を夢中で飛び出す純に、
玄関前の道まで追ってきた母親が、自分の思いを代弁してくれてありがとうと礼を述べた時の、
何か言いたいのに言葉にならない内心のじれったさを爆発させた小さな叫び、
「もう!」と言ったのか、何故か「にゃあ!」に聞こえて思わず笑っちゃったんだが、
しかめっ面をしてそんな「声ならぬ声」を表明するや、くるりと背を向けスタスタ大股で
歩き去っていく姿に、家族の誰にも理解してもらえない淋しさを噛み締める純の胸の内が
察せられたんだったし、

愛の妹の誠とホテルのエレベーター前でやり取りするシーンで、
愛の「特殊能力」への弁護をしつつ、すかさず「ただあたしも心から信じてるわけじゃない」と付け足し、
慌てて中立を装ってみせた直後に、また「声ならぬ声」が発動し(つい本心を漏らしてしまった体で)
「でも!」と口の形が動いて、見せかけの(安全圏確保の逃げ腰な)中立を自ら否定してしまう、
純というキャラのみならず、おそらくは演じる夏菜にも共通するのだろう素直な「本性」も、
微笑ましく、そして好ましく見ていたんだった。




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