スピルバーグ監督へのインタビュー


記憶が消えぬうちに箇条書き。

◇最新作『戦火の馬』は戦争映画ではなくラブストーリー。愛と信頼と希望の物語。

◇これまで手がけてきた作品のメインテーマは成長(チェンジ)。

試練に耐え、困難を乗り越え、新たな自分を獲得する成長の物語を常に描いてきた。
過去の自分から新たな自分へと変わっていかなけばならない。
「登場人物がまったく成長しない映画なんて作りたくない、全然面白くないから」

◇「ヒット」でなく「ホームラン」になるような物語を描きたい。

◇「一番大事なのは特殊効果でも興行成績でもなく、ストーリーなのです」
デジタル技術はツールにすぎない。絵筆と同じで色そのものを作り出せるわけではない。

ジョーズの話。あえてサメそのものを登場させず、観客の想像力に頼る手法を採用した。
「私が部分的にしか描かなかった(サメ襲撃の)シーンを、観客が想像力を駆使し補完してくれた」
優れた映画には観客とのコラボレーションが不可欠。

◇映画製作の日々は、未知の世界へのとびらを開いているようなもの。

◇番組の最後で笑顔とともに語った言葉が印象的。
「私は65歳になった今でも、初めて映画を作った12歳の頃と同じようなわくわくした気持ちで毎朝目を覚ましているんです」


※対象物そのものを描くより(ポンと提示するより)観る側の想像力に委ねることの大切を熱く語るスピだが、ジョーズの当時と今の観客の大多数の感性は、果たして同質のものだろうかとの疑問も少々。
言葉や映像の表層だけを見て、即時に判断する傾向が強まっているように思うので。
映像作品全般からしても言葉で明言されなきゃ分からないとか。観客とのコラボだからこそ、今の観客の想像力の程度に合わせて、説明多用の味気ない作品が増えた側面も、否定しがたくある気がする。
ただ想像力の衰弱が世界的傾向かどうかは不明だが。




.