キケンな熱暴走!/ゴーバスターズ(5)


mission5


先週めずらしくも、爆発!して果てる末路を免れたメガゾード
(3パターンある素体のうち、便宜上ガンマと命名したタイプ)が登場したのを、
まあ普通に考えれば、貴重な敵方の情報収集源として隈なく調査する、が妥当な線だが、
期待し過ぎだろうか、意外にあっさりスルーで終わったりして、などと半信半疑でいたら、
ちゃんと有効活用してくれて、地味に嬉しく。

さらに展開の面でも、前回で敵方に中身抜かれた(盗まれた)燃料備蓄タンクに、
新たな補充用エネトロンを搬送するトラックを護衛することが、
今回のゴーバスの任務であるとの、内容的な連続性をもたせてある。
前回と今回で、仲間内での結束を固める、絆を強化するイベントのひと続きのセット、と見ると、
この連続性保持には説得力を感じる。
構成的には黄のヨーコを中心に、前半(前回)は対ヒロム、後半(今回)は対リュウジ、な感じか。

年上ボーイズに負けじと、空回りするほど張り切って背伸びしたがるヨーコの妹キャラが、
中々にいい「くすぐり」ポイント突いてくるなと感心。
おそらくは男子のみならず女子にとっても。
ブラコン傾向は女子の標準装備だから(と言ってみる)。

ゆえに頼れる年上男子への、絵に描いたような理想化(弱点欠点の類があるとは思いもよらない)は、
夢見るお年頃な少年少女(精神年齢含めた)特有の美しき誤解なわけだが、
その理想と現実との折り合いをつけるために、納得がいくまで互いにとことん話し合うのが、
小林靖子脚本ならではの特徴だろう。
でも今回ヨーコは戦闘中、初めて見るリュウジの別の面について逡巡する間も
(何度となく集中力が削がれ危うい場面があっても)、
努めて戦闘態勢は維持していたから、そこは前回ほどの違和感はなかった。

リュウジ(青)が熱暴走により、暴力それ自体を本人が楽しんでいるような、まさに
チンピラ紛いの戦い方をするのを、チカラに酔っ払う、とは巧い表現。
チカラ(暴力)を任務遂行の必要のみに限って、クールに制御するどころか、
酔わされ、踊らされる(つまり主体が自分にはない、チカラに主体を明け渡し、
引きずられる)のを、マイナスな側面、弱点としてきっちり打ち出しておく、この姿勢には、
正統派ヒーローものの方向性として信頼が置ける。

だが確かにヒロム(赤)の言うとおり、リュウジのリスクは全然マシな方で、ヒロムのように
パニクるきっかけとなる対象がニワトリ、となると、
これはもう遥かに厄介、業務に支障が出まくりじゃないのかと、訓練とかで何とかならんのかいなと、
先行きどうなるのか気にかかる。
イメージを喚起する言葉すら駄目だってんだから、敵さんには願ってもない弱点だろう。
エンター君がそこそこ賢いなら、このヒロムの弱点突くのが、最も効率いい地球人攻略法だと
気づくんじゃなかろうか。
なんとも危なっかしい(ある意味でスリル満載な)設定であることよ。

ポケットから引っ張り出したハンカチを、ヨーコへ無造作に突き出し、
「しわくちゃだけど、汚くないから」って、
うわ、何気に王道の殺し文句きたよ、いつからあるんだこの常套句(苦笑)。
この古い、もといポピュラーな手が、まだ有効だとは知らなんだ。
ううむ背景に薔薇が飛ぶのを幻視したかも。


ゴーバス3人の絆の強化に重点をおいた分、流れのテンポは全体的に停滞気味で、
弾むような元気や勢いに欠けていた気がする。
それも情感優先では仕方なきことではあるんだろうが。

来週は、そうかやはり合体するか。で、レゴブロックみたいのになるのか。
エースたんの雄姿がすでに懐かしや。
短い夢でした、なんてことはないと思いたい一応。






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