特命戦隊ゴーバスターズ(16)/亜空間から来た男 


※フォーゼ感想もついでに書いてしまった、少しだけ。 


Mission16 監督:金田治、脚本:小林靖子


ゴセイ(主に中盤くらいまで)やゴーカイ(主に序盤くらいまで)の興奮が甦る
はっと目を引く充実のアクションに「燃え」燃料が補給され、
「感想メモっとくか」なモチベ獲得となる、そんな久々の流れが到来した感じのゴーバス16話。

ここまでで散見される展開のもたつき(場違いに間延びした台詞の応酬とか)だとか
スカッと明快に突き抜けない結末の不安定な宙吊り感だとかの、脚本の視聴者へのアピール力の弱さが
圧倒的で(なのにそこに尺を割きすぎ、前面に出しすぎて)、さすがにアクションオンリーでは
支えきれなかった印象、せめて今回明らかになった新局面に突入するまでは、もう少し大胆に強引に
アクション中心で引っ張っても良かった。
ストーリーのみならずキャラもいま一歩弱かったから、アクションだけが頼りだったのに。
まあ毎週のことだからそこまで手間と費用をかけられないのが現実だろうなとは察するが。

前回から登場した新キャラの俺さま君こと陣マサトの方は小林脚本に欠かせない(たまには欠かしても
いいんじゃないか?と言いたい)定番キャラなんで置くとして、スタッグなんとかいうバディロイドの方、
あれ変身前のが絶対カッコイイだろう、変身すると飼い主、もとい俺さまご主人にお株奪われちゃうというか
カブトムシ風の金色のツノを取られちゃうのが哀しい。がそのツルッとした銀色スーツにも増して、
ご主人の方の変身後の金ピカスーツの格好良くなさが、ちょっとしたショックではあった。

むろん演じるのが清家SAなので動くと格好良く見えるんだが。バスターズの面々が横並びすると一目瞭然で、
全身捉えた画ズラのバランスの悪さには激しく疑問だ。というかバスターズのスーツ自体も、日常と地続きの
フツーの衣服感が半端なくて、あまり夢がないような(そこまでリアルを追求したいならもう最初から着用しておいて
後でメット被るだけにすれば手間が省けて効率的なのにという投げやり感に襲われる)。

それでも亜空間からアバターを転送(本人の身代わりに)等の新設定の更新と、
ゴーバス三人への活入れと引っ掻き回し役になりそうな新キャラ投入で、今後の展開に期待が持てそうではあるし、
なにより今回アクションをいつもより派手目に、かつここぞというショットをしっかり魅せていたのが
ポイント高かった。

雑魚戦闘員(バグラー)二体を相手にするイエローの、両脚を開脚しての同時キックとか、

ブルーがバグラーを背後から抱え込み、一緒に地面を何度か横転した末に、羽交い締めのまま
重なり合う体勢で下に位置取りしたところで、右手にもった武器でとどめを刺すとか、

レッドによる腰を軸にし上半身を下げた姿勢で、両脚だけを空中回転させ立ち位置を移動するワザとか、
くるくるっと片手で武器を回しながらのバトルとか(流れるような一連の動きに見とれる)。

圧巻はブルーとイエローの連携攻撃(好物!)で、接近戦相手のゲストメタロイドから、
たちまちブルーが吹っ飛んでフレームアウトすると、すかさずイエローが入れ替わり、ハイキックから
回りこんで相手の三叉槍みたいな武器を掴み(そうやって攻撃の威力を削いで)前後開脚のついでに
肘鉄食らわせば、それで敵がふらついた隙を逃さず、前後開脚によって空間が出来たイエローの頭上を
ブルーが疾風のごとく飛び越え、そのまま空中から膝蹴りをお見舞いする、というどこを切っても
金太郎飴ならぬ美しいアクションに陶然と見とれた。最高ですな。言うことなし。

ああ待て待て、敵か味方かまだ定まらぬうちのレッドとゴールド(じゃなくてビートか)のバトルも
見応えあったんだった。
押川レッドが清家ビートを地に押し倒し、武器でとどめを刺そうとする間際に、レッドの胸辺りを
素早く左足で押しとどめるビート。殺気の中に色気すら漂う息詰まる攻防戦。宜しいですな。
今回のブルーもそうだがこの手の接近戦をもっと見てみたい。今までにない戦い方が新鮮だしカッコいいしで。

そして安定のエースたんも。
変形バンクの、道路を豪快に滑りながら大剣を掲げてポーズととるショットは
何度見ても飽きない格好良さ。

そんなヲタ目線を嬉々として発動する一方で、EDのヨーコのダンスが気に入っていて、
しばらく映画宣伝用の映像に切り替わっていた期間は、毎週またこれか〜とひどく味気なく感じていたんだった。
ゴーバス三人の中で一番上手いしハツラツとして可愛いし。
EDはほとんどヨーコしか眼中にないと言っても過言ではない(堂々)。
何より太もものボリュームが理想的だ。棒みたく細いのより断然こちらが好みだ。
(フトモモスキーだけに一家言あるらしい←放置で)
ヨーコのダンスには毎週いい感じで和まされてる、あのEDも爽やかな心地に誘われて結構好きかも。



おまけでフォーゼにも言及。

素朴に謎なのは、弦ちゃんが何故今頃になって(京都に修学旅行いった辺りからか)
変身する時に身を隠そうとし出したのか、なんだが、以前はライダーである正体を隠そうともせず、
公衆の面前(生徒が通常ウロウロしてる場所とか)で何の気兼ねも屈託もなく変身してなかったか。
それがどういう理由から態度を豹変させたのか、なにか見落としでもあるのかね、兎に角未だに謎だ。

だいたいフォーゼは脚本のメインとサブ(に加えてPもか)の意思疎通が巧くないのかそれとも適当なのか、
設定がコロコロ変わる傾向があって以前から気になってはいた。ゾディアーツ化した生徒にしても、
ライダー部のサブキャラにしても、設定や取り扱いが安定せず、不意に、しかもガラリと変わるのを、
でも誰も何のフォローもしてくれないのが不可解だった。

だからアクの強さが一気に無害キャラ化したJK話に再び取り組むのには好感だったし、
前半に続き後半にも期待したんだが、結局のところ長谷川脚本は怒涛の説明台詞に終始して、
それはいかにも残念だった。
もう少し映像とか役者の表情とかで見せてくれると説得力も感じられたのだが。ご都合主義的に
まとめられた肩透かし感が拭えなかった、あの出来で満足だとしたら正直失望を口にしなくちゃならなくなる。
話自体にもだが、その志にも力量にも。

今回また長谷川脚本で、また面白そうなテーマ持ってきていて、いいやじゃあ今度は後半まで見終わってから
感想書くから、などと慎重に構えている。今回タッグを組んだ諸田監督の、映像面の出来の良さには何の不満も
文句もないが、脚本は後半でどう転ぶか分からないから、今はまだ何も言わないでおこうと思う。






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