宇宙刑事三部作(ギャバン/シャリバン/シャイダー)のこと


これまで三つの中で全話踏破したのは唯一シャイダーのみで、以前に録り溜めていたギャバンや、
去年機会を逃したら、また放映始まったので毎週録画予約を入れてるシャリバンを、
今度こそちゃんと観てみようと思い立ち(ようやく!)HDD保存を確認したらば、
なんとギャバンが28話以降しか残っておらず。

前半は随分前にDVDだかに移しちゃった気がするんだが(そこも曖昧なのかよ)、
でも何処にあるか探しだせない直ぐには、という情けない事情から、

しょうがなく28話から観始めて。
それからシャリバンを8話、いや10話だったか、まで観終わって。

もちろん一度にではないが、大変なボリュームでさすがに疲れた。
無駄に疲れる理由には、アクションパートを細かくチェックする癖が無意識に発動してしまい、
一話見終わるにもえらく時間がかかる、というのもある。

とりあえず未だ不完全な視聴ながらも、現時点での感想を備忘メモ。


まずギャバンは、主役の存在感が半端ないというのは本来喜ばしいことなんだろうが、とにかく大葉健二カラーが
やたら強いのと驚異の身体能力の高さとで、もう変身せずとも素で戦えるんじゃないのかと思わせるのが
いいのか悪いのか、大葉劇場の個性の濃さに押されて、対比的にスーツ演技が若干控え目というか
おとなし目にすら感じられる。むろん実際にはそんなことはないはずなんだが。

僕は人を殴るのはあまり好きじゃないんだ、との台詞に込められた精神は、後にクウガの五代が引き継いだのか、
高寺Pへの影響絶大なのが分かる。だがいつまでも廃れて欲しくないヒーロー精神ではある。
「優しさは強さ」であってこそ。

32話(ミミーが里帰りした設定の最初の回)が良かったアクション満載で。

相当に高度ありそうな塔の上に立ってキメポーズから一気に飛び降り、群れる雑魚戦闘員の只中めがけて
スパイラルキックをぶちかましては、くるくると空中回転して足場となる高所ポイントへ戻る、の
繰り返し手法にテンション上がる。

逆光で真正面ポジからの蹴り技(ギャバンキックか)を捉えたショットのセンスの良さ。

レーザーブレードに切り替えてからの一騎打ちを、通常より尺長めでじっくり見せてくれるのも嬉しく。

ジャンプして空中で一太刀浴びせた後に、ギャバンダイナミックでフィニッシュする一連の流れを
スローモーションにすることで、断罪の厳粛さを加味した演出も効いている。

続く33話も見応えあった。

ゲスト敵との間合いをとった睨み合いの中、いくぞ!と覚悟の一声、レーザーブレードをシュッと振って
気合入れるところとか。カメラの回り込みもいい。

どちらも手がけたのは田中秀夫監督。
去年惜しくも鬼籍に入られたが、残していただいた素晴らしい遺産の数々には、
あらためて感謝の思いが沸き上がる。
とびきりの幸福な映像体験が何度でも味わえる、その有り難さを噛み締めるばかりだ。


さて次のシャリバンでは、去年視聴した際にどうもパイロット担当の小林義明監督との相性が
芳しくなく(今に始まったことじゃないが苦手意識は)、第2話までで興味を失してしまっていたのを、
今回再びトライしてみて、第3話からぐっと惹き込まれたのは、上述の田中監督の手腕による。
アクションパートのうねるようなグルーブ感に痺れた。

シャリバン(変身後スーツ)が三割増しで格好良く見えてくる。

3話のどこからともなく忍び寄るゲスト敵の攻撃を、四方に視線を配って警戒するシャリバンを、
ぐーっと急接近したり、大胆に回りこんだりして捉えるカメラもいい。

4話の、開巻すぐから遠くハイウェイをバックに、丘の稜線の下から伊賀電のバイクがジャンプして
画面斜め左へ猛スピードで突っ込んでくるワイルドショットに始まるバイクの疾走シーンの、最初にガツンと
ハッタリ掛ける「前のめり」感にももってかれた。

捜査中の相棒リリィが敵に囲まれ、あわや抹殺という間一髪のタイミングでシャリバン登場、高みから
敵陣を銃撃で牽制した後、ふわりとリリィの目前に飛び降り、体を張って彼女をかばいながら
「逃げるんだ!」と声をかけるや、バックに流れ出す「強さは愛だ」のフレーズ、強いやつほど笑顔は
優しい〜とくる。これでクラクラ目眩を覚えない奴は特撮ヒーロー好きじゃないなたぶん。
うーむ格好良すぎてどうしたものか。

ソードを空中に素早く放って左手に持ち替え、空いた右手でクライムバスター!と叫びつつ発射する一連の動作、
ポーズも決まっております。

何より動き(カメラワークやカット割りやテンポの強弱等々の映像センス)に色気がある。
小林監督にはそれを感じないから駄目(惹かれない)なのかも。
感覚的なことを言えば、グッとくる(惹かれる)=色気を感じる、なので大体において。
田中監督の映像には確かに色気を感知するらしい私のアンテナは。快感と映像は切り離せない関係にある。
まあそれは映像に限らない話だが。色気は大事。冗談でなく真面目にそう思う。


で。我が贔屓のシャイダーである。
シャリバンの思いがけない魅力に、柴原シャイダー愛は一時のマボロシか気の迷いかと若干不安にかられて
(申し訳ない)、DVDを再度チェックしてみたところ、やはり間違ってなかった!
柴原シャイダーは不滅だ。とりわけあの脚が堪らない。鼻血もんの逸品(こらこら)いやほんと。


おまけで。こちらも前回放映時には見きれなかった(他の視聴リストに追われて)オーレンジャー
第26話で大藤SA登場と知り、ワクワクしつつ観てみると、あれれキングレンジャー来週に持ち越しだったよ、
なのにOPクレジットに載っていたのは何故に、と巻き戻してわかった、顔出し俳優の吹き替えやってたんですな。
で、期待した勢い余って、来週予告にチラ見せ登場のキングレンジャーを穴の開くほど凝視したのは
ここだけの話だ。しかもついついすらっと伸びやかな美脚に注目してしまう。フェチの性だ。






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