烈車戦隊トッキュウジャー初回感想をスーツやロボやミニチュアワークや演出や脚本の観点から。


※延び延びになってた第一話(始発駅/サブタイ『特急烈車でいこう』)の感想全般を順不同で。
(第二話放映前にはどうにか間に合わせたく)
あらすじやら素面の皆さん等への言及は無い代わりに
スーツやロボやミニチュアワークや演出や脚本の観点から見ていきたいと事前予告。

※設定ミスで再アップ→後日に書き落ち等を補足した。


小林靖子節の再来を顕著に感じたのが
ゴーバスからの因縁深き幼馴染み設定、
シンケンからのスーツ中心&内部の関係性にドラマ性持たせた敵組織設定。
(血祭ドウコクと薄皮太夫の男女関係の艶っぽさに匹敵するシーンが
スーツキャラで展開されることへの期待大)
(もしオールスーツな敵組織ならオーレに匹敵するか)

◇スーツの造形について。肩周りの可動性が進化しているのに注目。
胴体部分と腕部分が従来の一体成形でなく切り替え
格段に動きやすいはず。SAの身になって考えてある親切設計がありがたい。

◇スーツ(変身後)に関しては戦隊メンツ内の基本の持ち色が
入れ替え(乗り換え)可能な新設定も実に画期的で、ゴーカイの時は過去戦士に
チェンジする際も持ち色は引き継いでいたのが(赤なら赤、という風に)
その根本の持ち色すら変わるとなると、色でシステマティックに(記号的に)
誰が誰と見分けられない分、スーツの中の人たるSA各人の身体の個性が際立ってくるわけで、
それはスーツなら誰でも同じではないことの一つの証明足りえるわけで、
本当に凄いなと。
一応スーツの色が変わってもおでこと左胸の部分に1号とか2号とか持ち番号は据え置きなので
見分けに窮することはないよう抜かりなくフォロー入ってるし。
小林靖子脚本はスーツ(演技にしろ演者にしろ)の可能性を広げるような新たな設定を
これまで何度も打ち出してくれたが、今回のアイディアも色々と面白く使えそうで楽しみ。

◇巨大ロボの造形もこれまたコロンブスの卵的というのか、ある意味盲点を突いてくる原点回帰の発想で、
列車の直線をまんま活かし、角張った初期の戦隊ロボを彷彿とさせる単純なカタチゆえ、
合体変形も含め、映像上のイメージを玩具に再現しやすいのが最大の利点。
これはバンダイ側のリサーチの勝利か、ゴーカイ以降の現役キッズにも過去戦隊への認知度が
上がり、昔の単純素朴な箱型ロボが意外にも結構ウケてる状況を踏まえての大胆なロボデザインの
変化に思えるが、実際はどうだろう、
でも長らく(いわば)ガンダム以降の流れを汲むロボの造形の方向性が劇的に変わった印象で、
うわそうきたか!と意表を突かれる新鮮味が良かった。
驚かせてほしいからいい意味で(無難が一番つまらない)。

◇ミニチュア列車の愛くるしさに目を細めながら、ビルなどの街並み再現した背景は
ジオラマのみならず実写やアニメとの合成に見えたがどうなんだろう、どちらにしてもミニサイズ列車と
違和感なく一体化してて技術の進歩に感心した。

◇内容面ではテーマに相当する「イマジネーションを鍛えて君の無限の可能性を引き出そう」を
初っ端にガツンと打ち出し本編にブレない芯を注入することで、今後の展開に安定感を確保する手腕が
相変わらず巧みだなと。
作品を通じて子供らに何を伝えたいかが明確なのは大切。
単なる暇つぶしや表層的な娯楽以上の、彼らの心に深く響くような、励ましや勇気や元気を与えるものを
備えていてほしいと願うのは、過去戦隊を振り返っても無謀な高望みとは思わない、むしろ正統派だろう。

◇以前に素面(変身前)とスーツ(変身後)では力の差をきちんと表現した方がいい、
素面で敵と互角に戦えるならスーツ体に変身する意義が失われてしまうから、という主旨の事を書いたが
この点に関しても小林脚本の配慮は行き届いていて、
ライト(1号)がザコ敵をパンチ一発で将棋倒しにしてしまうパワーの持ち主だと、まず戦隊リーダーの
特別感を強調し、だがさすがにゲスト敵には歯が立たずふっ飛ばされる流れで、相手側の力の差をきっちり見せ、
それでもライトは何度ふっ飛ばされようと「不可能を可能にする」イマジネーションの力を信じ、さらに闘志を燃やし
突っ込んでいく、そのイマジネーションの強さで勝てたのだ、という風に順序立てて持ち込むことで
素面とスーツの力の差に違和感の生じない工夫がなされている、子供相手だから矛盾も許される、ではない、
逆に子供相手だからこそ、力の差には大人より敏感なんじゃないかと思う(とこれまた以前述べたことだが)。

再びこの問題に妙に引っ掛かったのは、少し前の鎧武で、イグドラシルから脱出する時の対ザコ敵との素面バトルから
変身後のスーツバトルへ至る一連の流れに、さほど力の差を意識した撮り方がされてなかったことへの
違和感が未だに尾を引いているせいもある。

◇ところで。
関根車掌とチケットくんのカエルの歌の輪唱は響鬼へのオマージュですよねそうですよね(と信じる)。
※追記:ついでに言うと五人でエグザイル、は大魔神カノンからの発想では。(なにこの高寺P作品オマージュ感w)