2011-01-01から1年間の記事一覧

夫婦も家族も一朝一夕に上手くはいかない/カーネーション(53)

本日明らかになった事実。そうか、勝(マサル)の弟が実家を継いだから、少なくとも糸子が一度は「訪れたことがある」わけだ、祝言前にでも勝の親に会うために。弟夫婦の元を去るその別れ際に、寝入っている直子にたまらず頬ずりをする、そんな初めて見る勝…

冴島鋼牙には時代劇が似合う、に一票。/牙狼〈GARO〉〜MAKAISENKI〜(9)

第9話『化粧』監督:雨宮慶太、脚本:藤平久子鏡に映る老いた己を見ては「これは本当の自分ではない」「あの頃の栄光よもう一度」との思いを募らせ、ついにホラーに取り憑かれてしまう元人気俳優・高峯龍之介役に川崎麻世を起用したのを、前半までは、ジャ…

追記(のようなもの):反戦と呼ぼうが呼ぶまいが

糸子やら貞子やらが「戦争うぜー!」な気分なのは間違いないだろうに(劇中で歪曲の余地なくそのように描かれてる)、最近訪れた某所のカーネーション感想に、現実に提示された描写から一足飛びに以下のような批判がなされているのを目にして、何のことやら…

ブロックチェックの帯と花柄ショールの赤/カーネーション(52)

いやあ昨日も言及したけど、オノマチ糸子の(昌ちゃんが代表するごく常識的見解が、時々彼女のあまりの破天荒さについていけなくなる)、困難な状況になればなるほどイキイキした不敵な面構えになるのが、見ていて惚れ惚れするねえ。朝から元気を貰えて感謝…

上等や!受けて立っちゃる!の心意気/カーネーション(51)

面白さの不可抗力なのか、気づけば感想立て続けに書いてしまっている。他にも色々と観てはいるのに。おそろしやカーネーション。初っ端から目に飛び込んでくる、和菓子屋の入口脇に貼られた国債購入を奨励するポスター(しかも行軍する戦車部隊のイラストつ…

ブサイクなもんとキレイなもん/カーネーション(50)

糸子の結婚、出産、店のリニューアル(看板も小原洋裁店からオハラ洋装店へ)&従業員を雇うなど経営拡大、と目まぐるしく変化する物事の経過に、昨日ふと最初の頃が思い出されて録り溜めたBDを引っ張り出し、第一週『あこがれ』を振り返ってみたんだが、い…

敵だから差別OK、なんて理屈はない/ゴーカイジャー(40)

ゴーカイ・第40話『未来は過去に』、今回のは脚本に対し、最低でも台詞とプロットの二箇所に腑に落ちない引っかかりを覚えた。まずゴーカイジャー側に(※訂正:発言者は鎧ではなくハカセだったかもしれない ←記憶がウロ)アヤカシ連中のことを「気持ち悪い…

女は度胸、男は愛嬌、なんだなあ/カーネーション(47)

◇憎いくらいツボを心得た田中健二演出の妙に、またもしてやられた。娘・糸子の晴れ姿を、口をへの字にした真顔でしばし見つめた後に、ついと目を逸らす"へそ曲がり"、善作こと小林薫のあの顔に感極まった。とどめ刺された、ええいこれが泣かいでか。ストーリ…

手の抜き加減にプロの技あり(by大野松雄)&カーネーション雑感

◇音響デザインの第一人者、大野松雄のドキュメンタリ『アトムの足音が聞こえる』をWOWOWにて。手抜きが手抜きに見えないのがプロ、との言に思い出すのが、仮面ライダーBLACKの演出で初めてその手腕を知り注目した(個人的に)小西道雄監督。全編まんべんなく…

追記:『カーネーション』と吹越満の件

本日のカーネーション(45)の、前記事で書き落とした面白ポイント二点をあらためて。いつもの川沿いの歩道を、チャリで呑気に歌いながら通りかかる勘助を、結婚の噂話を広められて頭に来てる糸子が、低木の茂みから待ち伏せし、通り過ぎたその背中に下駄…

カーネーションに深夜食堂に牙狼にレッツゴー

本日の『カーネーション』(45)は、祝!宝田明復活!と言いたい。昨日のラストショットのみの登場でも、小さくガッツポーズ決めたい心境だった。その仲の悪さを糸子ともども認識していた薫と明、もとい善作と清三郎の揃い踏みに、「いざ」となれば一致団…

異形ヒーロー考2(クウガ)

東映チャンネルでのクウガ放映が終了した。一応録画した分は出来るだけ後からチェックするようにしていて(時々ミスって途中の話数が抜けたりしながらも)、終盤の数話をまとめ視聴したら、案の定、観ていて辛い描写の多さに、最後はへとへとに消耗してしま…

異形ヒーロー考(ベム&ライダー)

現在放映中の『妖怪人間ベム』は、人間社会に「いてはならない存在」と見做されてきた異形の悲哀と苦悩にとことん付き合い、負の感情から完全には解き放たれない人間の厄介な性まで、漏れなく炙り出そうとする所存らしく、今後どう展開するのか興味を引かれ…

魅惑の連携プレー&カンゼンバースト!/ゴーカイ(39)+フォーゼ

ゴーカイジャー第39話『どうして?俺たち高校生』監督:竹本昇、脚本:香村純子◇過去ネタを丁寧に拾う”気配り上手”な香村脚本らしい、青春満喫!なメガレンの学園ライフを彷彿とさせるAパートと、等身大にロボに、竹本節が存分に炸裂したBパート、のバラン…

父も娘も「吾亦紅」な生き方を貫く似たもの同士/カーネーション(42)

◇昨日から引き続き、小刻みにぐらつく不安定なカメラワークが減ったのに比例して、フィックスが小気味よく決まり(謡を教えるシーンでの、向い合う二人を真横から捉えたショットとか)、おかげで格段に画面に集中しやすくなった印象を持った。やはり止めと動…

糸子、ついに独立宣言を突きつける。/カーネーション(41)

Xmasケーキのロウソクが五本だったのは、偶然にしろ意味深な符丁だ。母、祖母、三人の妹たちを金銭面で支える役割を、父の代わりに一身に担っている糸子の置かれた現状が、端的に表れている、と思った。ケーキを前にはしゃぐ家族の様子を、少し離れた障子の…

山下敦弘監督回は見逃せない/深夜食堂2(5)+カーネーション

小林薫は『カーネーション』のみにあらず。ということで『深夜食堂2』の第5話「缶詰」を録画にて視聴。映像に、音楽における聴覚に匹敵する視覚の快楽が満ち満ちていて、冒頭からぐぐっと惹き込まれるように見入ってしまう、山下敦弘監督回。(ちなみに脚…

父が「降りる覚悟」を決めるまでには諸々の葛藤があるのだ、と思う/カーネーション

小林薫演じる糸子の父・善作の、いよいよ腹括らねばならぬ時が刻一刻と近づいてきている気配に、朝から胸が一杯になった。木之元のおっちゃんに肩借りて帰宅するなり、上機嫌の酔っぱらいは、だらしなく大の字にひっくり返り微睡みの中。じきに世代交代のそ…

過去は未来に干渉し続けるもの(完全消去が不可能である限り)/カーネーション(38)

大胆にも自ら出向いて売り込みをかけ、見事に百貨店の制服20着という大口の注文をこなしてみせた我が娘の姿に、善作なりの一大決心で、今後はバックアップに徹し、娘の洋裁にかける夢を全力で盛り立てていく所存だったのに、親のこころ子知らず、それほど…

カンゼンゴーカイオーの華麗なるターン!/ゴーカイ(38)+フォーゼ

感想は簡潔に箇条書きにて。◇良かったところその一。いつもバンク映像で済ませるのを新撮にして、ゴーカイメンツ各自の見せ場アクションで盛り上げた名乗りシーン。ただ約一分程度であっという間に終了だったのが悲しい。もう少し引っ張ってくれてもいいんじ…

ウチは本気で作るんや!本気で着てもらわな嫌や!/カーネーション

何たる至言。本気には本気で向き合うのが最上の礼儀。生温いキレイゴトの出る幕ではないのだ。利害や身内意識による通り一遍の「誰も傷づけない(裏返せばそれだけ一山いくらのありふれた安っぽい)」褒め言葉より、駄目なものを駄目とハッキリ(だが言葉を…

ムラタですか、いいえカワモトです/カーネーション

第6週(『乙女の真心』)に突入し、いっぱしの社会人として独り立ちする厳しさに直面する糸子から、いよいよ目が離せない。糸子こと尾野真千子の真剣に怒っている面差しからも目が離せない。ずっと怒っててくれてもいいような気がする。たちまちクールビュ…

トクサツよ何処へいく(フォーゼ/ゴーカイ/ベム/ザボーガー/実写ヤマト)

ここのところ特撮ヒーローもの(といってもshtと牙狼くらいしかないか、ベムを入れていいのか迷うが)の感想が少なめなのは率直に、映像作品として面白いと思わないから、に尽きる。また面白くないのを無理に盛り上げることもあるまいと控えていたのもある。…

侮りがたし女子力の巻/カーネーション、私はシャドウ、+DOCTORS

本日の『カーネーション』での一コマ。翌日までにパッチ100枚、の無理な注文に応じてくれた見返りとして、客が上機嫌で相場の二倍額を支払い、その報酬の入った茶封筒を、糸子が善作の前へ神妙な面持ちで差し出すと、気持ちだけで突っ走り無謀な仕事を引…

欲しいものは1つだけ。/QP(キューピー)第5話+カーネーション第28回

QP 第5話『ラッキーナンバー』監督:菅原伸太郎、脚本:NAKA雅MURA主人公たる我妻涼(斎藤工)を、シマ狙いの本命たる横溝組以外の、今のところ特に接点のない古岩組の蜂矢兼光(やべきょうすけ)と出会わせるのに、身寄りのない子供の頃の涼を引き取り育て…

「変身願望」も「正義の味方」も取り扱いに注意/妖怪人間ベム

本当は特撮ヒーローものの範疇に入るであろう本作が、土曜のプライムタイムに放映されること自体喜ばしい快挙といえる。子どもを主なターゲットとする所謂ニチアサだけが、ジャンルの代名詞扱いされる窮屈さからの脱却には諸手を上げて歓迎だし、視野を広げ…

女子の夢と希望を描く/カーネーション

第四週「誇り」のまとめ感想など。公式サイトに掲載された椎名林檎による「カーネーション」主題歌歌詞を黙読するだけで目頭が熱くなるほど、毎朝流れるあの楽曲を気に入るあまり、知らぬうち断片的にフレーズを口ずさんでることもしばしばだ。劇中での、糸…

ハイボールはじめました/深夜食堂2(2)

第十二話『唐揚げとハイボール』山下敦弘監督回。さや(平田薫)という女性の、まぶたを閉じてほのかに微笑みを浮かべた(まるで観音さまみたく穏やかな表情の)アップショットから始まる、初っ端からの「映像の掴み」に強く惹き込まれた。俳優の表情一つが…

「たかが保険屋」の正義と救いと/ラストマネー

初回から欠かさず観てきたが、最終話にきて正義のこと、他者を救うこと裁くこと、の普遍にして難しいテーマを正面切ってぶつけてきた一方、けして安直なお涙頂戴の大団円に落とし込まないところに、作り手の志と矜持を感じる。それは保険絡みで浮上する人の…

父と息子の絆という王道/フォーゼ(8)&ザ・ケープ

どう柔らかく崩そうとも根っこの部分は硬派な(特撮)ヒーローものの多くに、通奏低音の如く流れる定番テーマがコレ。日曜はSHTの後に『ザ・ケープ』字幕版を毎週録画して観てるんだが、リアリティ重視の作風が吉と出るか凶と出るかは置くとして、初回から「…