ドラマ・映画

平清盛(42)鹿ヶ谷の陰謀の回。

疑問なのは、西光の「しょせんは王家の犬ごときが」を連発し、清盛のことを 本人を前に徹底して罵り倒す挑発に、自制する間もなく瞬間沸騰した怒り全開で、 ぐったりと力なく横たわる西光の傷ついた肉体を、更に更にと果てしなく蹴り続ける清盛の、 そもそも…

純と愛(10/27)の呟きと追記

◇余談になるが、本日(10/29)放送分は楽しい突っ込みどころに事欠かずで、 愛(いとし)が朝食に出したお手製らしきシチューの材料は、どこで調達したんだ (鶏肉や野菜が純の冷蔵庫に常備されてるとは考えにくいし)、 もしや朝っぱらから愛が買い出しに出…

おまけ:『梅ちゃん先生』最終回の呟き

※最終話放映後の余韻が冷めやらぬうちにと、そう間を置かず呟いたもの。 こちらが閉鎖状態だったので、やむなくの選択でもありました。 遅ればせながらコピペ。 (梅ちゃん先生の共通タグは重複がくどいので外して掲載) まさかのヒロシ君再登場の先週から引…

梅ちゃん先生SPと朝ドラらしさについて考えた

随分日にちが経ったような感覚だが、まだ先週(の土曜日)でしたっけ 『梅ちゃん先生/結婚できない男と女スペシャル』前後編の放映は。本編での群像劇風の展開(※梅子とノブの結婚後を除く)とはまた違い、 主要人物数人に焦点を絞るオーソドックスな手法を…

目に見えない騎士

人間はこの星で 一番強い種ではない一番すばやくも たぶん賢くもない一つ優れているのは協力しあう能力 助け合う心人は互いに共感し合い 思いやりを持つようにできている正義のため 愛のため それが人を強くする すばやく賢くするだから生き残り 生きたいと…

アクションの撮り方と平清盛「賽の目の行方」のこと

◇今月よりNHKBSにて放映開始の猿飛三世。チーフPがカーネーションの城谷厚司、脚本が大御所の金子成人など 鉄壁のスタッフ陣に惹かれ初回から観ているが、予想以上に面白い。 特にアクションパートの力の入れようは、最大の見所と任じるが如く徹底しており …

純と愛/しんじるこころ

※あの純愛テーマを地で行くOP曲とイラストの、健気かつ可愛らしさの相乗効果に和むという 毎朝のひととき繰り返される儀式のような習慣が、しっくり馴染んできた気がする以前にもまして。 朝ドラ=時代錯誤の優等生的真面目さを基調としたどこか堅苦しいイメ…

未来を生きる君たちへ

デル・トロの『悲しみが乾くまで』以来のスサンネ・ビア監督の最新作。デンマーク語の原題通りに復讐(と赦し)をめぐる普遍でありなおかつ今日的テーマでもある内容なら 生真面目以外のアプローチは不誠実となろう。 全編を余裕やユーモアとは相容れない「…

平清盛/兎丸無念、雑感。

久々の大河感想。第三部に突入して以降の抜群の安定感には目を見張るものがあると以前にtweetもし、 タイトルロールに相応しい主役の活躍を今度こそと、 映像的にも展開的にも実に見栄えのする後白河VS清盛の丁々発止の対決を 心より楽しんでもいたんだった…

「あなたはそのままでいてください」

今週の土スタにて。 朝ドラ『純と愛』のヒロインを演じる夏菜のイメージを 父役で共演する武田鉄矢が見事に的を射た形容で評したのに、思わず吹いた。飼い主に三日ぶりに散歩に連れ出された嬉しさから、やたら張り切ってそこらを駆けまわる柴犬みたいだ、と…

野田秀樹の語る幼児性と幼稚性

江戸文化やシェークスピアを挙げるまでもなく、芸術表現にはある種の「幼児性」は付き物ではあるけれども、 昨今の日本文化に氾濫するキャラクターグッズ熱などに顕著な「幼稚性」には、 違和感及び危機感を強く感じるという野田秀樹。 (wowow『ザ・キャラ…

希望と未練の違いについて

『チェイス〜国税査察官〜』最終回(第6話)にて。 追い詰めた春馬(江口洋介)相手に追い詰められた村雲(ARATA)が 理不尽多き不可抗力な運命に対する根源的疑問をぶつける。曰く。 あっちとこっちにどんな違いがあるのか。 抱きしめられる子供と (自分…

NHK朝の連続テレビ小説(朝ドラ)はマイナーチェンジし続けるのか。

朝ドラの存在を知らなかったわけじゃない、全く観たことがないわけでもない、 ただ最初から最後までリアルタイムで通して観たのは前前作の『カーネーション』が初めてだった。15分×6(日曜を除く毎日)の細切れな変則枠で進行する独特な(=この枠ならで…

坂元裕二の復讐モティーフ/松岡敏夫はいつ殻を破るのか/オーレン最終話 

◇毎週視聴しているNHK連ドラ2つ『負けて、勝つ〜戦後を創った男・吉田茂』と『チェイス〜国税査察官〜』が 同じく坂元裕二脚本なのを、素直にゴールデンタイム枠(とは午後8〜10時くらいの見当で言うのだが)での 二本掛け持ち技に驚嘆していたんだった…

ゴーバスとウィザードとロード・オブ・ザ・リング

録画分のゴーバスターズ(30)&ウィザード(3)を視聴、どちらもある点が共通していて興味深かったんだが、前者の場合なら「私情より公務を優先するプロ意識の発動」という展開の理屈上のみに留まらせない何か、 それは今更どうにもならない(もう元の状…

ダークナイトライジング/ツッコミと擁護の巻

もう観た人のための『ダークナイト・ライジング』前篇 いつでも視聴を切れる、つまり観る観ないの選択権は常に視聴者側が握っているTVの連続ドラマと違い、 事前に予測できない賭けである一回性の出会いがすべてな映画作品は、 (世間がいくら名作だの駄作だ…

ダークナイトライジングに関するつぶやきまとめ(8/6)

感想は個人の自由、とはいえ誤解は拙かろう。バットマンは『ビギンズ』でラーズを復讐心から見捨てただの (正確には一度は助けてチャンスを与えた、それを悪用されたゆえ二度は助けなかった)、 『ダークナイトライジング』は憎悪や怒りの物語だの。一体こ…

梅ちゃん先生(第18週)大切な人/信郎&梅子の前途を祝す

先週分の感想が飛んだのは、ひとえにすごい勢いで 公開直後の映画DKRに関心がもっていかれたせいであり、 急に視聴を止めたからとか、興味を失くしたからとかではないので念のため。 そうする/そうなる動機も私には皆無だし。 (ただ他に気を取られるとか、…

ダークナイトライジング&中央公論(日本の「正義」を考える)に関するつぶやきまとめ(8/1)

ダークナイトライジングの「王道ヒーロー展開」こそノーランの大人度の証左。 逆に子どもは大人に見られたくて背伸びしたがる(→厨二病)。 センセーショナルだった前作ダークナイトの次に、こんな捻りなし正攻法ベタやれる確信犯に痺れる。 雑誌と縁がなく…

ダークナイトライジングつぶやきまとめ(7/31)

ダークナイトライジングに関する町山批判(偶然知った)の反論になるのかしらんが一応呟いとく。 今作は一作目の焼き直しでしかない(脚本の手抜き)→ 中間の二作目(ダークナイト)で被ったダメージにより揺らいだ信念を立て直す意味で必要。 ブルースが自…

ダークナイトライジング(2)/復讐は正義に非ず※追記あり

※公開直後につき、昨日に続いて「極力バレ回避」の方向で。ゴッサムを守ろうとするバットマン側、ゴッサムを滅ぼそうとするベイン側、 二極に分かれる立場はしかし、「悪」の撲滅を掲げる点では、皮肉にも合わせ鏡のごとく似通っている。 似て非なる別物とな…

ダークナイト ライジング/バットマンからブルースへ

The Dark Knight Rises 長らくご無沙汰続きの映画だが、ダークナイトライジングだけは公開初日に(もし行けたら特別先行の方に したかもくらいの勢いで)足を運んでしまう情熱はどこからくるのやら。前2作はどちらも一度劇場で観た限り。この「一度限り」は…

SHERLOCK (シャーロック)2/ベルグレービアの醜聞

原作の「ボヘミア」(は国名だったが)に倣い、タイトルのベルグレービアという地区名は 英国王室を指すのか。納得。 ワンクッション置く配慮はしながら、架空とはいえ堂々王室をスキャンダルの発生元として描ける イングランドの成熟した精神風土が羨ましく…

梅ちゃん先生/ふたつの道(第16週)〜松岡に泣かされるの巻2

早野の件に一応の結論が出た後の、夕陽差し込む下村医院の治療台の上に 腰掛けて語らう松岡と梅子のシーン。金沢に僕が行くと松岡が提案した時から、梅子は 「患者さんのためにそんなことまでしてくれて、嬉しい」と喜んでいた。 患者さんのために、と。だが…

梅ちゃん先生/ふたつの道(第16週)〜松岡に泣かされるの巻

本日土曜放映分の松岡には全面的にヤラれた。参ったです。あれやこれや書く材料が豊富で、どこから手を付けたもんやら悩ましい今週のまとめ。 (都合でPart1みたいになってるが、まま細かいことはお気になさらず) 子どもの診察シーンで月曜冒頭が始まり、…

はつ恋(8・最終回)ONLY LOVE

予感はあったからまだ助かった。不意打ちの失望までには至らなかった。 本作のコンセプトからしても、ヒロインに感情移入して見ている層がおおむね満足する内容なら、 企画制作の狙いとしては成功なのである。ただ緑が、三島への思いを優先し家族を捨てた選…

梅ちゃん先生/ちいさな嘘のおおきな本当(第15週・85〜90)

開業初日の下村医院は、ミカミ食堂でなし崩し的に行った無料診察の時とは打って変わって、客足ゼロの状況。 そこに様子見のつもりで乗り込んできた三上&安岡の両女将に、正枝と芳子も加わり、かくて賑やかしい 井戸端会議の一丁上がり!となる。お茶と煎餅…

はつ恋(7)Promise

危ういバランスの上に成立する「人も羨む幸福な家庭」の悲しき幻想。 過去の未練に引きずり込む亡霊の思わぬ横槍で、脆くも崩壊する砂上の楼閣。在りし日の恋愛は、いまや不可抗力の天変地異に匹敵する猛威をふるい、 平凡でちっぽけな家庭の幸福をバラバラ…

平清盛(27)/マグマ(最終話)

◇平清盛/宿命の対決奸臣信頼には従属の証たる名簿(なづき)提出で油断、 (女装に身をやつした)二条帝を黒戸御所から、後白河院を一本御書所から、それぞれ脱出させた上で、 合戦となれば、優勢の内に兵を撤退させることで、大内から源氏勢を引っ張り出す…

梅ちゃん先生/巣立ちのとき(第14週・79〜84)

将来の目標をはっきり見定め自覚し、父に玉砕覚悟で「開業したい」と直訴する梅子を 「ゆるさん!」の一点張りで頑としてはねつけようとする建造、この父娘の攻防戦に 建造の脳軟化症発覚→強制入院の流れから、ここぞと勢いづく下村家の女たちが絡む、しょう…